研究内容の紹介

 主な研究テーマ
  1. e-learningを活用した工学教育の研究
  2. IPV6を用いた遠隔操作の研究
  3. Webサービス技術の活用
  4. 歯車材の面圧強度向上の研究
  5. 歯車の振動・騒音の研究
  6. 歯車ポンプの研究
  7. CVTの研究
  8. これまでに開発したプログラム
  9. 共同研究

穗屋下研究室で、世界で初めて製 作した
鏡面にもつハイポイドギヤ
 主な研究内容(1980〜)

■eラーニングを活用した工学教育の研究
佐賀大学では、全国の国立大学に先駆けて、2002年4月から、単位の取得できる学部の一般教養教育科目のVOD型ネット授業を実現した。大学の講義室にいなくても、いつでも、どこでも聴講できる画期的な教育方法である。本研究では、機構学や機械要素設計製図・で、eラーニングを併用し、対面授業の学習効率アップのための研究も行っている。eラーニングを実施するには、学習管理システム、高度なコンテンツ作成システム、講義を維持管理するための人的サポートシステムの構築が必要である。これらのシステムが整えば、学生の学習能力に応じたカリキュラムも可能性になる。また、先進的な教材を開発するために、アニメーション教材の作成と活用方法の研究も行っている。(文化教育学部角研究室との共同研究)
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■IPV6を用いたバレル研磨装置の遠隔操作に関する研究
Web上の遠隔操作は,従来の専用回線を用いての機械操作に比べ,既存の回線を使用できるため,今後かなりの汎用性が期待される.本研究では遠隔操作用に設計,改良したバレル研磨装置を用いて,今後主力となるであろうIPV6規格に準拠した遠隔操作のシステム構築を行った.(知能情報システム学の近藤研究室との共同研究)
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■Webサービスを活用した歯車の噛み合いシミュレーション
歯の弾性変形や歯形やピッチ誤差を考慮した歯の噛合いシミュレーションを計算するには、歯車の知識やプログラミング技術を要する。このように誰でも簡単に解けない科学技術問題を、以前に歯車の専門家またはプロジェクトで解いたプログラムを利用して、Web上で計算できるなら、大学で歯車を学ぶ学生や大学院生にとっても、工場で実際に歯車を設計するエンジニアにとっても非常に役立つ。

■歯車ポンプに関する研究 
各種の運転条件に対応できる新しい逃げ溝をもつ歯車ポンプを提案し、全効率と容積効率が向上することを示した.また内歯車形の特殊歯車ポンプを用いて,全効率と容積効率を調べた.

■トラクションドライブに関する研究
歯車は大きなトルクと回転を確実に伝達できるが、無段階の変速を行うのは困難である。トラクションドライブは連続的に速度を変換でき、CVT(Continuously variable Transmission)とも呼ばれる。摩擦駆動が乾式に対し、トラクションドライブは湿式で、高いトラクション係数を持つ合成油が使用される。トラクションドライブの伝達トルクは、転動体間の押付け力とトラクション係数の積に比例する。転動体間のトラクション係数は、押付荷重と滑り速度に依存する.転動体間の接触領域の圧力分布や滑り速度分布などを求めて,トラクションドライブの設計プログラムの開発を行った.また、バイエル式CVTのほか、独自のCVTの開発も行い、理論効率を求めると同時に、実験も行った。

■歯車材の面圧強度向上に関する研究
歯車の強度は、歯元の曲げ強度と伝達歯面の面圧強度で決定される.本研究の目的は、面圧強度を向上させ,歯車の小型化を図ることである.一様な精度の歯車を得るのは困難であるので、ローラ試験片を用いて歯車材の面圧強度を調べた.

・小型ローラ接触疲労試験機
一対の試験片を同じ硬度の組合せにすれば,面圧強度が従来いわれていたより2倍程度向上することを明らかにした試験機である.材料の種類、硬度、硬度差、潤滑油の種類、表面粗さなどのパラメータを変えながら、表面粗さ,表面付近の硬度分布及び油膜形成状態などの変化を調べ、歯車材の面圧の向上について数多くの研究実績を世界に向けて発信してきた。
・大型ローラ接触疲労試験機
押付け力を最大5tonまで掛けられる、世界でも貴重な高荷重試験機である。浸炭鋼などの表面硬化鋼にバレル研磨処理を施せば,表面粗さ改善のために面圧強度が著しく高くなることを実証した.
・歯車負荷能力試験機
実際の歯車を用いた実験を行う。荷重はカップリングで歯車軸を捩って掛ける。試験歯車の一方が電気的に絶縁されており、負荷運転中の油膜形成状態を調べられる特長がある。表面硬化歯車を用いた実機試験も行って,バレル研磨処理により歯車の面圧強度が著しく向上することを確認した。

・歯車の歯面改質装置
ハイポイドギヤ、ウォームギヤなどのように複雑な歯形をもつ歯面を鏡面に仕上げるのは困難とされていた。本研究では、この問題を解決した。ラリーやF1レース用の最先端の特別な自動車用であれば、1個ずつベテランの技術者が最後に磨いて仕上げているとのことである。図は本学で試作したジャイロ式バレル装置で、歯車の歯面を鏡面に仕上げることができる。この装置だと低コストで確実に鏡面に加工できる。
歯面を鏡面に仕上げた歯車を、前述の大型ローラ疲労試験機と歯車負荷能力試験機とを用いて実験も行った。歯車を研削仕上げした後に、ハードショットピーニングやバレル研磨処理を施せば、従来の歯車に比べて、著しく負荷能力の高い歯車(歯車材が持つ究極の歯車!)が得られることが分かった。

□本件は実用的な先進的な技術研究として、Webニュース、新聞等でも紹介された。

  • 2003/03/17 日刊工業新聞 『歯車 回転槽使い鏡面研磨 佐賀大 複雑形状にも対応』(リンク)
  • 2003/03/20 Gear-Net Japan ニュース、『ハイポイド、ウォーム歯車の鏡面研磨』(リンク)
    http://www.gear-net.com/news/ne-16-j.html
  • 2003/07 ツールエンジニア 『ショットピーニング+バレル研磨で歯車の精密加工を実現』
  • 近日中に、加工技術データファイル、(財)機械振興協会技術研究所 に掲載予定


■歯車の振動・騒音に関する研究
歯車は回転数を正確にしかも大きなトルクを伝達できる特徴があり、数多くの機械に使用されている。しかしながら、負荷伝達中に振動と騒音を避けることはできない。歯車がトルクを伝達するとき、歯は弾性変形する。また、歯車加工のとき加工誤差が起こる。歯車の噛み合いシミュレーションをおこなった。精度の異なる平歯車を用いた歯車試験を行い,歯形誤差,ピッチ誤差及び歯面粗さが騒音・振動に及ぼす影響を明らかにした.

 これまでに開発した主なプログラム
  1. 円筒歯車の噛み合いシミュレーション(Basic7, Visual Basic)
  2. 粗さ解析プログラム(Basic7)
  3. 歯車ポンプの設計と理論容積と効率(Basic7)
  4. トラクションドライブの理論伝達トルクと効率(Basic7)
  5. 円筒歯車の設計法(Basic7)
  6. NC歯車研削装置のNCプログラム作成(Basic7)
  7. リンク機構のアニメーション(JAVA)
 これまでに行った主な共同研究
  1. トラクションドライブの研究(住友重工業)
  2. 浸炭歯車材の研究(住友重工業)
  3. 焼結歯車材の面圧強度の研究(九州大学大学院の尾崎研究室およびアイシン精機との共同研究)
  4. 歯車の表面改質の研究(チップトン)(新東工業)
  5. ウォームギヤの鏡面研磨の研究(NTT)
  6. 歯車の面圧強度向上の研究(  )
  7. eラーニング学習管理システムの開発(佐賀電算センター)
  8. e学校ネット(新電電ネットワーク)